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ニャンジャ小屋

ニャンジャの隣にはサツマイモが転がってるだけ…。

水木しげるの戦争漫画「地獄と天国」を読んだ感想は、「この話全部嘘であってほしい」だった!

 

水木しげる先生の戦争漫画「地獄と天国」を読みました。

この作品は、水木先生本人が経験した、戦争の壮絶で悲惨な出来事を描いた作品です。

 

前にも水木先生の戦争漫画はいくつか読んでましたけど、これほど怖い話は初めて読んだよ。

水木先生が戦争漫画を描くときは、リアリティなんて考える必要ないのか…なぜなら実際に戦争に行った人だから、そのことを漫画に描けばいいだけなんだから。

 

でもこの「地獄と天国」って作品は、すごく悲惨で怖くて、これが本当の戦争かと思いました!そして……この話全部嘘であってほしいと思いました。

そのぐらいショッキングな話だった。

 

第二次世界大戦中の南方は、まさに地獄!

 

普通、戦争漫画っていうとカッコいい主人公がいて、その主人公が英雄のように描かれてて、最後はカッコよく散ってく…みたいなストーリーが多いし、そっちの方が人気あるので、多くの漫画家がそんな話を描きました。

ところが水木先生は生前、「それは戦争漫画じゃなくて冒険活劇だろ?」と言っていたようです。

英雄みたいな主人公がいて、その主人公の周りには当然のように食べるものがあるし、撃てば弾が出る銃がある。でもそんなご都合主義みたいなありがたい話は、実際の戦争ではありえないんだと言っていました。

 

水木先生は、多くの戦争漫画を描かれましたが、この「地獄と天国」って作品では、かっこいいキャラクターなんて出てきません。

主人公の水木先生は、当時の日本軍では一番下の階級で、毎日南方の島で上官たちに殴られ、いじめられてました。

 

夜寝てるとき、敵の砲弾によって水木先生は大けがし、軍医が麻酔なしで左腕を切断してくれて、出血多量で死にかけ、マラリアにもやられ、なおかつ食べるものはない。

それでも上官たちは威張りまくって、いじめてくるし……

水木先生は少しギャグっぽく描いてるけど、もう何だか、生きることさえ無理な、絶望的な感じがします…。

そんな上官たちはみんな戦死し、水木先生は何とか生きて日本に帰ってこられたんだけど、水木先生はそのことがおかしくもあり、申し訳なくもあったようです。

 

「総員玉砕せよ」みたいな悲壮感はないけど、戦争の虚しさはすごく伝わってきました。

 

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水木先生は、生きることに人一倍執着してた人だったんだと思います。戦争が起きたことは仕方ないけど、そんなことで死んでたまるかって…

当時の日本軍では、天皇のために死ぬことが一番いいことだと言われてたらしいけど、そんなことはお構いなしで、水木先生はただ自分が生きることだけを考えてたと思います。

この「地獄と天国」は、反戦とか、平和が一番いいということは描かれてなくて、水木先生本人が戦場でこんな目に遭ったよ。ってことを描いてるだけなので、漫画的な面白さはあんまりないけど、「戦争」がどんなものなのかを思い知らされました。

 

水木先生の戦争漫画をみんな読もうニャッ。

 

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

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敗走記 (講談社文庫)

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劇画ヒットラー (ちくま文庫)

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ニャンジャ。