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ニャンジャ小屋

ニャンジャの隣にはサツマイモが転がってるだけ…。

銀河鉄道の夜 カムパネルラは優等生かわいい

僕は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」が好きだった。もう何十回も読んだ。けどこの作品は、読めば読むほど新しい発見があるよニャ。。

今回僕が思ったのは、銀河鉄道の夜は、カムパネルラの別れの物語だったんじゃないか?ってことです。

 

ケンタウル祭の日の夜、ジョバンニは友達に仲間外れにされて、ひとりで丘の上の天気輪の柱まで走っていき、倒れこむ。

 

原作では、ジョバンニの視点で物語は進みます。

ジョバンニは、「カムパネルラと友達になれたらどんなにいいだろう?もしもカムパネルラが僕の友達になったなら 僕は命でもやってもいい」と、思いつめます。

 

でも、そのときカムパネルラは、川に落ちたザネリを助けようとして、溺れて行方不明になってしまいます。

きっとジョバンニが、カムパネルラと友達になりたいって思ってるときにはもう既に、カムパネルラは命を落としてしまっていた…?

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銀河鉄道は、死者が天上へ行くための汽車で、カムパネルラが乗ってたってことは、もうカムパネルラは亡くなってる……けどなんでジョバンニも乗ってたの??

 

銀河鉄道の夜は、ジョバンニの夢の出来事…ジョバンニがカムパネルラと友達になりたいって思いながら眠ってしまったから、夢の中でカムパネルラと出会って、一緒に汽車に乗っていた。

でもちょっと待ってほしい!

ジョバンニだけが一方的にカムパネルラと友達になりたいって思ってたわけじゃないんだよ。

カムパネルラにとって、ジョバンニは何なの?

ただの知り合い?クラスメートのうちのひとり?

違うでしょ。実はカムパネルラもジョバンニのことは気になってたんじゃないかと……

 

もともとふたりは、幼馴染で仲良しで、前は一緒に遊んでたんだ。

でもジョバンニの父親が漁に出たきり帰ってこなくなっちゃって、それでジョバンニが代わりに働いて、病気の母親の面倒も見ないといけなくなって、友達と遊ぶ時間が無くなってしまったんだ。

そのためジョバンニはだんだん孤立していって、ぼっちになってしまう。

ザネリなどは一緒に遊ばなくなったジョバンニに悪口を言うし…

 

でもこれ、もとをたどるとジョバンニの父親が悪い気がする…なんでずっと帰ってこないのか…?

しかもなぜかジョバンニや母親には連絡してこなかったのにカムパネルラの父親には手紙を送ってるという謎…

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もちろん事情はあるんだろうけど…それにしても、ジョバンニの父とカムパネルラ父の関係がすごく気になる。。

 

ジョバンニは、遊ぶ時間が無くなってぼっちになるけど、カムパネルラのことは特別な存在で、大事だと思ってた。けどそれを言う機会もなかなか無くなってしまったんだ。

 

でもカムパネルラも、「なんでジョバンニは前みたいに遊ばなくなってしまったんだろう?僕のことが嫌いになってしまったんだろうか?」って、ずっとジョバンニを心配してたんだと思うよ。

ちなみに、原作ではカムパネルラは一度も「ジョバンニ」って名前で呼んでないことも萌える。

 

カムパネルラにとっても、ジョバンニは特別だった。

もしそうなら、「銀河鉄道の夜」がカムパネルラの別れの物語だったことに説明がつくと思います。

本来死者しか乗ることができないはずの銀河鉄道に、なぜジョバンニが乗ってたのかというと…

カムパネルラは、ケンタウル祭の日の夜、川に落ちたザネリを助けようとして、命を落とすけど、このことはカムパネルラにとって予想外の出来事だった。あまりに突然すぎて、どうしようかと思ったのでは…?

宮沢賢治の作品には、登場人物が突然居なくなってしまう話が多い気がする。

風の又三郎」では、又三郎が友達に別れも告げず、突然転校してしまうし、「やまなし」でも、クラムボンは死んでしまうし、「グスコーブドリの伝記」でも、ブドリは家族をみんな失うし……

 

たぶん、宮沢賢治自身が、妹のトシを病気で亡くしてしまったから……賢治にとって妹のトシは何より大事な存在だったんじゃないかと思います…

大事な人はある日突然居なくなってしまう。その悲しみが、賢治の作品にも出てきたんじゃないかと…

 

カムパネルラも、誰にも何も言えないまま死んでしまったんだ。

カムパネルラは焦った。まさか…こんなに突然死んでしまうなんて……

ジョバンニ…そうだ!ジョバンニは、僕が死んだって知ったら、どんなに悲しむだろう…せめてジョバンニにだけは、もう一度会いたい……会ってちゃんとお別れを言いたい……

そう願ったカムパネルラは、気づいたら銀河鉄道の汽車に乗ってて、ジョバンニと出会った。

 

って話……でもちょっと待ってほしい!

もしそうなら、何でカムパネルラは一度も、ジョバンニに本当のことを言わなかったの??

自分が死んだこと、もうお別れしないといけないこと…カムパネルラは一度もジョバンニに言ってなかった。

うーん…きっと、カムパネルラは、いざとなるとやっぱり、別れが辛かったんじゃないかと思います。

ジョバンニは、「僕たちどこまでも行こう」って何度もカムパネルラに言いますが、カムパネルラは聞こえないふりをしたり、話をごまかしてるように感じました。

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カムパネルラはもう、ジョバンニと一緒に行けないことが分かってるので、ジョバンニがその言葉を言うたびに辛くなるんだ。

原作ではあんまりカムパネルラの気持ちは書かれてなかったけど、杉井ギサブロー監督のアニメ版「銀河鉄道の夜」ではカムパネルラの悲しみが描かれてた気がする。

 

アニメ版ではカムパネルラがかわいい。

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くるみの実に興味津々のカムパネルラ。。

アニメ版では、原作には出てこなかった「盲目のおばあさん」が汽車の通路でうまく歩けないでいるのを見たカムパネルラが、すかさず手を引いて席に座らせてあげたり、電気技師の手伝いをしたりと、カムパネルラの天使ぶりがより強調されててよかった。。

なによりも見どころはやっぱり、ジョバンニに「僕たちどこまでも一緒に行こう」というたび、カムパネルラが辛そうな表情をする場面ですにゃ…

 

カムパネルラって、優等生で成績優秀で、スポーツ万能で絵も上手いのに、マイペースなとこがあって、のんびりしてるとこがあるよにゃ。。

 

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カブトムシに興味ありそうなカムパネルラ。

 

結局、最後までジョバンニにはお別れを言えず、パッ!と消えてしまったカムパネルラって、もしかしたらジョバンニよりも孤独で、悲しい人だったんじゃないかと思います。

銀河鉄道の夜の感想を書いてるとき、思い浮かんだ曲があります。それは、稲葉浩志さんの「波」って曲です。

www.youtube.com

「わかるよ これ以上はもう一緒に居てはいけないと」

 

カムパネルラは、ジョバンニと一緒に楽しい時間を過ごします。最後はジョバンニと一緒に居たかったんでしょう。別れが辛いものになるだけだって分かってたはずなのに…

 

けど、ジョバンニには、カムパネルラしか居なかったんだ。たぶんジョバンニはカムパネルラが居れば他のことはどうでもよかったんだと思う…だからカムパネルラが消えたときには「わっ」と泣き出して…

 

僕、こういう暗い話がすごく好きだった。絶対幸福になれないって分かってるのに、それでも良かったんだっていう話。

ジョバンニとカムパネルラは、離ればなれになってから、どんな風に過ごすんだろ…?

 

 

最後に。実は銀河鉄道の夜は、未完成の物語だってご存じ?

宮沢賢治は、作品を何回も書き直して、納得いくまで考えるタイプの人だった。

銀河鉄道の夜も、何度も書き直してたんだけど、そうしてるうちに賢治は亡くなってしまい、この作品は永久に完成することはなくなり、未完成のまま、発表されたんだ。

つまり誰も、ジョバンニとカムパネルラが本当はどうなったのか、知ることはなくなったんだ。

にゃんともロマンチックな話だにゃー。。ほんと、この「銀河鉄道の夜」は不思議な物語です。

みんなも読もうニャッ。。

 

 

 

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ニャンジャ。 

 

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